今作は単にレシピブックというものではなく、パリの貴族階級のダイニングや料理についての書籍となっている。
著者は50年以上のキャリアを持つJames Viaene ジェームズ・ヴィエンだ。
戦後の会食、舞踏会、ガラ・ディナー文化が開花した頃にレストランで働き始めた彼。
パリの著名レストランなどで腕を磨いた後、ウィンザー公爵と公爵夫人のお抱え料理人となった。
その後もGeorges Wildenstein ジョルジュ・ウィルデンシュタインやMichel David-Weill ミシェル・ダビット・ワイルといった上流階級の料理人を務め、1970年にはパリにある英国大使館のシェフを務めている。
今著では彼のキャリアを振り返り、貴族階級の人々との逸話やレシピこそあまり多くはないが、クラシックで絢爛な料理を紹介している。
またイギリスに所縁のある人物に多く使えた経験からイギリス料理にも深い見識を持っており、イギリス料理の伝統や多様性を尊重しているジェームズ・ヴィエン。フランス人はイギリスの料理に大きな偏見を持っていたとも語っている。
パリの上流階級の暮らしぶりを感じられる1冊。
édition: Flammarion 社
192ページ
英語
2016年刊行
サイズ:縦 31.5cm×横 24.5cm×幅 2cm
ISBN: 9782080201362